野球にはどれくらいの『運(不確実性)』が介入しているのか
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今回はシミュレーションを行って、気になったことを偉そうに書いています。
シミュレーション結果から分かること
野球シミュレータの開発(5)の結果、試合ごとの得点は0点~21点までの値をとっています。
今回のシミュレーションで忘れてはならないのが、全試合全打席で打者の能力が全く同じということです。また、何度か言及しているように、打者成績が投手成績を含んでいるので、全試合全打席で投手の能力も全く同じです。すなわち、0点から21点まで結果は様々ですが、この差を生み出しているのは運のみです。誰も調子*1がよくないのに、誰も調子が悪くないのに、運だけで得点がこれだけ大きく変動するということです。
野球が番狂わせの多いスポーツと言われるのは、この運の介入が大きいことが原因の1つでしょう。本来持っているポテンシャル*2で負けていたとしても、運が良くて勝つ可能性があります。そして、この可能性は他のメジャーなスポーツと比べても大きなものと思われます。
アマチュア野球の順位決定
1年で143試合を戦って順位を決めるプロ野球と違い、アマチュア野球の試合数はリーグ戦でもそれほど多くはなく、高校野球に至ってはトーナメントで優劣が決まります。
「そのような仕組みはおかしい」、という主張を筆者はしたいのではありません。設定されたレギュレーションで1位になること = その環境下での「強い」、であるため、優勝したチームが最も強いのは間違いありません。言えるのは、最も強い = ポテンシャルが最も高い が必ずしも成り立たないということです。そして、試合数が少ないほどその傾向が強くなり、運が左右する割合が大きくなります。(当然といえば当然ですが)
※あくまでイメージです。運の比重が大きくなるのを言いたいのであって、運の方が重要というわけではありません。
そのようなチームはポテンシャル以外の部分(戦術?)で勝率を上げに行くのでしょうが、そこまでミクロな部分までは入っていけないし、分野が変わってくるのでこれくらいでやめます。
というより最適な戦術が存在するとして、両チームがその最適な戦術を採用していたとしたら、戦術による勝率変動は起きないですよね..たぶん。
次やること
試合数が多い方がポテンシャルが勝敗に反映されやすいことは分かっているとして、問題は「どれくらいの試合数があったときに、どれくらいの能力差があれば、能力が高い方が確実に勝ち越せるのか」です。さきほど戦術の話を出しましたが、両チーム全く同じ戦術を採用することでその影響は無視できるものとします。
能力差ですが、具体的には打率や安打の内訳(ヒット:二塁打:三塁打:本塁打の比)を調節することで、能力差を生み出すことにします。
次回以降は「確実に勝つために必要な能力差と試合数」について検証していきます。