wOBAを打率スケールに変換してみた
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wOBAは、個人の集計で手に入るようなデータから出せる範囲において、最も優れたバッティングの指標といえ、打者の得点貢献能力を高い精度で表しています。
このwOBAですが、スケールを出塁率に合わせています。そのため、平均的な打者が.330前後に来るように、定数をかけて調整しているそうです(wOBA (野球) - Wikipediaより)。
この調整は直感的に数字を理解するために行われているそうですが、日本人にとって出塁率の大小というのはそこまで浸透しておらず、直感的かといわれると微妙な感じがします。
そのため今回は、出塁率ではなく打率にスケールを合わせたwOBAを作成してみたいと思います。なお、wOBAと区別するため、AVG_wOBAと呼ぶことにします。
1.02 - Essence of Baseball | DELTA Inc.
いつものようにDELTAさんからデータを拝借します。
なお、wOBAをリーグを超えて比較することはあまり一般的ではないので、(対戦する投手の能力が違うため)リーグごとに見ていきます。
2018年のリーグ別のwOBAと打率を拝借してきました。続いて、wOBAに何をかけたら打率になるかを示しているのが、変換係数です(正しい使い方か怪しいですが)。
掲載されているwOBA、打率はそれぞれ小数点以下3位までの概数であるため、リーグ間の変換係数に多少の誤差が出ているのは仕方がありません。ここをそろえるのならば、自分でwOBA等を1から計算する必要があるかと思われます。
wOBAを出塁率スケールに合わせる際の定数が、どの成績の打者にも平等にかけられているという前提ですが、これでwOBAをAVG_wOBAに変換するためには、約0.78程度の数字をかければいいということが分かりました。
要するに打率 ÷ 出塁率 ≒ 0.78ということです。
最後に、規定打者に対してAVG_wOBAを求めてみました(変換係数は0.78を使用しています)。
wOBAをAVG_wOBAに変換した表
このようになりました。
打率スケールに変換することで、だいぶ数字が見やすくなったというか、直感的に入ってきやすくなった感じが個人的にはしています。
また、この表から分かることですが、
AVG_wOBAはwOBAと大小関係が変わらないため、wOBA上位の選手がAVG_wOBAでも上位に入ります。
大雑把に考えると、打率 << AVG_wOBAの選手は、長打や四球等による得点貢献が大きいために打率という指標でみると過小評価されてしまう選手とみることができ、打率 >> AVG_wOBAの選手はその逆で単打が多かったり、四球等が少なかったりするために、打率単体での評価では過大評価される選手になります。この辺は分散等を考慮していないので、その傾向にある程度の解釈でお願いします。
打率単体で打者を評価するくらいなら、AVG_wOBA(またはwOBA)を見て選手を評価する方がよっぽど妥当です。
毎年、リーグ全体の 打率 : 出塁率 の比は変動するので、毎年0.78をかければいいという話ではありませんが、大まかな変換であれば有効だと思うので、ぜひ試してみてください。