BBANALY プロ野球データ分析

NPBのデータから、野球に関する議論や迷信を検証していくブログです。

成績の等価変換

更新時のみ呟くtwitterアカウントがあるので、よければフォローお願いします。

twitter.com

 

今回は成績の等価変換をやります。「成績の等価変換」とは何か?という話ですが、

 

例えば、

打率.364あるけど、ヒットは単打だけで、フォアボール0(出塁率.364)の選手

と、

打率.142しかないけど、ヒットは全てホームランで、フォアボールは人並みに選ぶ選手

はどっちがすごいの?

 

という問題を考えたとき、成績の等価変換を行うと、その答えが出ます。

では具体的にどうするかというと、ここでもやはりLWTSの考え方を使います。

LWTSはイベントごとの得点期待値の変動を数値化したものです。

イベント  1B  2B  3B  HR  BB  OUT 盗塁○ 盗塁×
 重み 0.446 0.783 1.143 1.411 0.302 -0.261 0.168 -0.382

Linear Weights - Wikipediaより抜粋

 

選手の成績を「平均的な選手より何点多く得点を生み出したか」という単位で考えると、

得点創出 = 単打の重み × 単打の数 + 二塁打の重み × 二塁打の数 + ... + 凡打の重み × 凡打の数 

で求めることができます。なお今回は打撃能力に特化するため、盗塁は考慮しません。

 

この左辺の値を固定した状態で、右辺の数値(単打の数、二塁打の数等)をいじることで、成績の等価変換が可能になります。

冒頭で示した例ですが、上の式の左辺に0を代入して右辺を調整した成績ですので、2つの成績は(得点創出能力という観点から)等価です。

この変換を行うことで、「得点創出能力を一定にしたまま、選手の成績に特徴を出す」ことが可能になります。パワプロでいうなら、「練習で稼いだポイントをどの能力に割り振るか選べる」みたいな感じでしょうか。

この変換を行うことで、「平均的な打線のうち、1番バッターだけを出塁率に全振りしたら平均得点は上がるのか」など、ある打順に対して、ふさわしい成績タイプの検証等を行うことができます。

近々このような検証を行っていきたいと思います。